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ラリー・ボシディ/ラム・チャラン『経営は「実行」』を読みました

この土日でラリー・ボシディ/ラム・チャラン著『経営は「実行」』を読んだので、備忘録を残しておく。 この本は名前の通り、経営するときはやっぱり実行が大切だよ!ってことが書いてある本なので、会社を経営している人や経営に興味がある人におすすめしたいビジネス書。

 

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著者曰く、

いまや実行力が企業の勝敗を分ける時代になった。実行力が競争相手より劣っていれば、すぐに負かされる。金融市場は高度な戦略が実現するかどうかをじっくり見守ってはくれない。実行力のないリーダーに、もはや猶予はないのだ。実行は、現代のビジネス社会で語られていない問題、しかも最大の問題だ。実行力の欠如は、成功を妨げる最大の障害である。期待通りの結果を出せないのはたいていの場合、実行力の不足が原因だが、ほかの原因によるものだと誤解されている。

また、

根本的な問題は、実行がビジネスの戦術だととらえられ、リーダーは実行を他人に任せ、もっと「大きな」問題に注力すべきだと考えられている点にある。この考え方は完全に間違っている。実行は単なる戦術ではない。ひとつの必修科目であり体系だ。企業の戦略や目標、文化に根づかせねばならない。そして、組織のリーダーは、深く関与しなければならない。その中身を誰かに任せることはできない。企業リーダーの多くは、最新の経営手法を学び、社内に広めることに膨大な時間を費やしている。しかし、実行を理解せず、実践しなければ、学び、主張してきたことの価値がなくなる。土台をつくらずに、家を建てているようなものだ。

というように、著者は「実行」が誤解されていることを懸念している。 この本では、このような誤解を解いて、さらにどうすれば実行ができるかを解説している。

その前に、実行とはそもそも何か

著書曰く、

実行とは、何をどうするかを厳密に議論し、質問し、絶えずフォローし、責任を求める体系的なプロセスだ。経営環境を想定し、自社の能力を評価し、戦略を業務や、戦略を遂行する人材と結びつけ、さまざまな職種の人々が協調できるようにし、報酬を結果と結びつけることである。

そして、実行を考えるにあたって、3つ考慮しなければいけないことがあるそう。

    • 実行とは体系的なプロセスであり、戦略に不可欠である
    • 実行とはリーダーの最大の仕事である
    • 実行は、企業文化の中核であるべきである

僕がこの本で面白いと思ったのは2番目で「実行とはリーダーの最大の仕事である」ということ。 この本を読むまで、僕も実行=リーダーの仕事というイメージを持っていなかったけど、「たしかに」と思える部分があった。

リーダーが組織にどっぷり浸かってこそ、その組織は実行力を発揮できる。率いるとは、大きな構想を練ったり、投資家と政治家を折衝したりする以上のことだ。それらもリーダーの仕事の一部ではあるのだが。リーダーはみずから事業に深く関与しなければいけない。実行するには、事業、その事業に携わる人材、事業を取り巻く環境を包括的に理解する必要がある。ただひとり、それができる立場にいるのがリーダーだ。そして、リーダーだけが、実行の中身に、時には細部にまで深く関与することによって、実行力を発揮させることができるのである。

リーダーが実行に関与するべき、もう1つ指摘している。

リーダーだけが全員が答えなければならない厳しい質問をし、全員が議論して適切な代替案を見つける過程を管理できる。そして、事業に深く関与するリーダーだけが、十分な知識を持って全体を見通し、決定的な質問ができる。

僕が「たしかに」と思ったのは、特に後者。 大きな組織になると、たとえ1つの事業部の責任者であろうと、他事業部の戦略や業務、人材について口出しすることはなかなかできない。それに対して、経営者であれば、企業のトップであり、すべての事業部のメンバーと踏み込んだ話ができる。

また、リーダーだからこそ、戦略や業務、人材について厳しい質問できる立場にある。 こう考えると、リーダーが実行に関与しなければいけない理由に納得できる。

では、リーダーは具体的に何をやらなければいけないか。

実行を担うリーダーがやらなければいけない7つの行動

  • 自社の人材や事業を知る
  • つねに現実を直視するよう求める
  • 明確な目標を設定し、優先順位をはっきりさせる
  • 最後までフォローする
  • 成果を上げた者に報いる
  • 社員の能力を伸ばす
  • 己を知る

著者はリーダーが人材、戦略、業務の各プロセスにおいて、 この7つの行動を行うことで、企業に実行の文化を定着させることができると述べている。しかし、こうした行動は経営者だけではなくて、プロジェクトリーダーや企画を主導する立場の人にも役立つ内容だなと思った。経営者ほどでなくても、プロジェクトリーダーはプロジェクトの全責任を負っている立場にある。

だから、プロジェクトリーダーは経営者の立場になって、プロジェクトの実行に関与していけばいいと思う。 プロジェクトリーダーを例に出したが、企業で働くすべて人が実行に関与することができなら、その企業はきっと強い企業になる。

「実行」について深く考えたい人におすすめ!